2012-01-01から1年間の記事一覧

タトゥーを入れたいな、と、ときどき思う。ピアスやタトゥーを入れることは、強さへの憧れ、みたいな分析には基本同意する気持ちはあるけど、わたしが思うには、それは他者に対しての強さの誇示ではなく、自分自身に対する表明に近い。誰かが、タトゥーやピ…

『ミレニアム2』、けっきょく上巻の半分読んだところから始めて、一日で読んでしまい、お急ぎ便でも待てないと思って『ミレニアム3』上下巻を本屋に買いに行った。意外と、というか、女の戦いの物語で、(女と社会との戦い、という意味も含まれる) 修羅雪…

『ミレニアム2 火と戯れる女』を読んでいる。昔なら一日あれば上下巻読み通せた本。昔といっても、去年の9月までなら読めただろう。そのころのわたしは自分自身のことから、可能な限り逃げ出すことができた。思考の方向を自分自身のことからそらし、行動を…

人気のあるAVの女優さんの取材に行った。彼女は20代前半で、胸が大きくて、肌なんかつやつやで、屈託のない笑顔がかわいらしかった。楽しくお話を聞いて、取材が終わって、編集さんとおいとましようとしたときに、「あの、わたし、そういうショートヘアに憧…

下着、香水、化粧品は、素敵な女性の三大趣味ではあるけれど、同時にモテない、さえない女の心の支えの三大趣味でもあって、当然わたしも人生でもっともさえない時代には、心の支えのごとくそれらのものを買いあさっていた。 その三つは、研究したことが無駄…

よく行くお店のAMBALIの服の在庫がほとんどなくなっていたので、ふと思いついて同じお店の別の店舗に電話をかけてみた。「ちょっとお尋ねしたいのですが、そちらではAMBALIの服の取り扱いはありますか?」 「ございます」 「ちなみに、どういうものがありま…

ものを書くことは、売春とおなじだと思うことがある。(わたしは売春を悪いことと思わないので、卑下するとかそういう意味ではなく)普通は好きなひとや、大事なひとにしか見せないようなものを、切り売りしてお金をもらう。そのことに自分の周りのひとが傷…

取材で表参道へ。漫画家の末永史さんに、初めてお会いする。年上の、尊敬する女性に会うのは、独特の緊張感があるけれど、末永さんはその緊張をあっさり溶かしてくれた。 女同士は、年齢や立場が違えど、一瞬でなにかを共有して、つながれるときがある。 「…

朝いちばんでデパートに行き、いつも使っているシュウウエムラのクレンジングオイルの、いちばん大きなボトルを買う。そこからヘアサロンに電話して髪を切りに行く。ハードなときに、クレンジングオイルを買うとか、髪を切るとか、そんなことで外に出なけれ…

嵐の一日。雹が窓にバラバラと当たる音で目が覚めた。

人生の中で、何日かあるかないかぐらいの、美しい一日だった。ひとの心は、なんと複雑で、繊細で、脆くて、浅はかで、強欲で、疑い深くて、あたたかく、やわらかく、難しいものなのだろう。 わたしはそういうひとの心のありようを「美しい」と呼びたい。その…

心の中に嵐があって、前の晩なかなか寝つけず、お酒をのんで無理矢理寝たので最悪の目覚め。どこにも行きたくない気持ちをひきずって、出かける。今日は約束があって、一日中、ひとと過ごさなくちゃいけない。途中、美術館のトイレで少し泣いた。夕方、ホテ…

田舎から上京してきた母と祖母が家に遊びに来る。わたしのクローゼットの中身が少ないと、 びっくりしていた。「これだけだと、いつも同じ服にならないの?」もちろんなります。でも、わたしもう、どうでもいい服は着たくないの。

肌寒い雨の日。ホームにすべりこんだ電車のドアのガラスに自分の顔が映る。 去年の服が、ぜんぜん似合っていない。さえない顔色で、さえない服だから、用事を済ませてすぐに家に帰ってしまった。

すごくひさしぶりに、大ぶりのピアスを買った。以前は、これでもかというくらい大ぶりのアクセサリーしか持ってなくて、 ごついもの、派手なもの、存在感のありすぎるものばかりで、アクセサリーをいくつか合わせてつけることすら不可能なくらいだった。そう…

地下鉄のホームで、綺麗な後ろ姿を見た。一糸乱れずアップに結い上げた髪、白いうなじ、白い耳たぶにカーネリアンレッドの天然石のピアス。白い肌に赤い石が映えて、アクセサリーはそれだけなのに華やかで印象深い。少し肌寒いから、紺の薄手のジャケット。…

夏みたいな日。起きたら強い陽射しで、ミントの苗がぐったりしている。あわてて水をやり、折れている茎は切って、水につけた。ふと思い立って、春夏の帽子を買いに行く。気に入っていたお店が、移転してから行ったことがなかったのを思い出し、新しいお店に…

『毒婦。木嶋佳苗100日裁判傍聴記』を読む。読み始めて、いまさら初めて、この事件のことが本当にあったことなのだと、現実味を帯びて感じられてきて、引き込まれひと息に読んだ。 わたしがこの事件に関心があるのは、大きく分けると、恋愛の部分と女の部分…

気圧のせいか、頭痛とめまいがひどい。夜はなにも食べられなかった。百合のつぼみが、つぎつぎと開いて、花びらのフリルにみとれる。

イベントのときに「自分の今の容姿に点数をつけるとしたら何点か」という質問をされて、軽く呆然としてしまった。 まぁ、これは簡単に翻訳すれば 「容姿で悩んでつらかったことを書いているけど、今は別につらくないでしょ?」 ということなんだろう、と思う…

イベントでいただいた百合の花の匂いが、部屋中に漂っている。 狭い部屋でよかったなと思う数少ない瞬間。

長谷部千彩さんのブログ(http://fatale.honeyee.com/blog/chasebe/archives/2012/04/22/-40.html)を読んで、はっとした。 「健康のことも初めて真面目に考えた。健康って努力しないとキープできないものなのだ、と知った。 女の人は美しさよりも健康を目指…

トークイベントでおかざき真里さんに初めて会うことになったので、作品を再読する。ほとんどもう読み終えていたのだが、最後に「サプリ」を残していて、一気に全巻読んだ。外は霧のような細かい雨が降っていて、こんな日には遠くのビルの影がぼやける。空気…

朝からの取材が思ったより早く終わったので、森美術館の「イ・ブル展 私からあなたへ、私たちだけに」へ。 最初のセクションにあった作品は、グロテスクでファンシーで、度を超えたガーリーの成れの果てみたいな「女」に満ちていた。 それが少しずつ変わって…

洗濯をしたら、下着のセットが全部ブルーと白ばかりだった。色がグラデーションになるように干した。

牡蠣のオイル煮を作る。と、ふつうに書けばふつうのことだが、半年前までは料理なんてほとんどしたことがなく、外食ばかりだったわたしにとっては、牡蠣を食材として買うのも初めて、 もちろん調理するのも初めてだった。魚屋さんにおそるおそる顔を出してみ…

子供を産みたくない、と思うことを、 大罪のように感じることがある。 産みたい、なんて思うのは、 激しい片想いの最中だけだ。

ひどい気分の一日。 夕方、炭酸の入った飲み物が欲しくなって外に出ると、外の匂いが変わっていた。毎日季節が変わっていって、おなじ日は一日もないのに、どうしてそのことをただ楽しんでいられないのだろう。欲しいもののことを考える。自分の感覚では、少…

出かけた先で、突然雨が降ってきた。慌ててバッグを抱えて、地下鉄の入り口まで走る。 茶色い革のバッグ。 何年も前に、急に「一人旅をしてみよう」と思い立って出かけた広島のお店で、心ひかれるバッグがあった。 私にとって、衝動買いするような気安い値段…

エレベーターに乗ったら、男の香水の香りがした。 ペンハリガンのサルトリアルという香水に似ている、もう少しアバウトな香り。 このマンションの住人だろうか。 銀行に行く用事があって、窓口へ。 向かい合って座った女性は、わたしと同じブランドの、デザ…