下着、香水、化粧品は、素敵な女性の三大趣味ではあるけれど、
同時にモテない、さえない女の心の支えの三大趣味でもあって、
当然わたしも人生でもっともさえない時代には、心の支えのごとくそれらのものを買いあさっていた。

その三つは、研究したことが無駄になることはないから、

心おきなく打ち込んでいい趣味だと思うのだけど、
わたしは化粧品に興味が薄く、その代わりに、ストッキングが好きになった。

でも、どうやらわたしには、ウォルフォードのストッキングをおろしたその日に伝線させる呪いがかかっているらしい。
良いストッキングの感触は、かなりダイレクトに官能的で、
ウォルフォードのそれに至っては、伝線するときに糸が肌を伝うような感触すら快感で、
今まさに一瞬であの高かったストッキングがだめになりつつあるというのに気持ちがいいなんて、
なんだかとても負けた気分になるのだった。