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わたしが勝手に、AV界の三大巨匠だと思っている監督のひとり、
ヘンリー塚本監督に、きょう、取材で初めて会った。
ヘンリーさんは、
「この世の中で、いちばん大切なのはセックス、
この世の中で、いちばんすばらしいものは、惚れた女のおまんこだよ。
好きになったら、断られたらどうしようなんて考えちゃいけない。
だめでもともとなんだから、
好きです、やらせてください、と言わなきゃいけない」
と、言った。
取材中は、ああ、これはいい原稿になるな、と、わりと冷静に考えていたけれど、
終わって、編集さんと別れて電車に乗り、
代々木駅で降りたところで、その言葉を思い出して、泣いた。
「おまんこ」っていう言葉を使って、いいことを言うのは、実はけっこう簡単だ。
「おまんこ」自体にインパクトがあるから、なにを言ったって、それなりにショッキングになるし、
面白くもしやすい。
谷川俊太郎の「なんでもおまんこ」という詩だって、大胆で爽快だけれど、
わたしは好きじゃない。
「おまんこ」っていう言葉に、よけいなものがつきすぎてる感じがするから、
好きじゃない。
生命の源だとか、エロスとかタナトスだとか、そんなことはどうだっていい。
わたしは自分のおまんこにそんなもの感じたことない。
わたしのおまんこはただのおまんこでしかなくて、
それに勝手に意味なんかつけてほしくない。
ヘンリーさんが、
ただ、おまんこはいやらしくてすばらしいんだと、
惚れた女のは最高なんだと、
そう言ったのを聞いて、
嬉しくてめそめそ泣きながら、
わたしは、そういうふうに言ってくれるひとと、
一緒になれたらいいと、心から思った。