ものを書くことは、売春とおなじだと思うことがある。
(わたしは売春を悪いことと思わないので、卑下するとかそういう意味ではなく)

普通は好きなひとや、大事なひとにしか見せないようなものを、
切り売りしてお金をもらう。

そのことに自分の周りのひとが傷ついたりすることもある。

わたしにはこれしかできないから、と、甘えたことを言うつもりはないし、
こんな仕事をしていることで、いやがられたり、偏見でみられるのは、仕方のないことだと思うけれど、
自分のしていることのせいで、大事なひとが傷ついたり、
自分の好きなひとに敬遠されたりすると、
自分の中に、なにか得体の知れない怪物がいるみたいな、そんな気持ちになる。
自己顕示欲の怪物。
その怪物は、才能とはぜんぜん別の、関係のないものだ。

怪物など飼っていない、普通の女の子だったら、と思うことがある。
悩みのない、普通の女の子など、この世のどこにもいない。
自分の悩みだけが深いわけではない。
わかっているけれど。
普通の女の子でいたくなくて、今のような自分になったのだけど。