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人生の中で、何日かあるかないかぐらいの、美しい一日だった。ひとの心は、なんと複雑で、繊細で、脆くて、浅はかで、強欲で、疑い深くて、あたたかく、やわらかく、難しいものなのだろう。 わたしはそういうひとの心のありようを「美しい」と呼びたい。その…

心の中に嵐があって、前の晩なかなか寝つけず、お酒をのんで無理矢理寝たので最悪の目覚め。どこにも行きたくない気持ちをひきずって、出かける。今日は約束があって、一日中、ひとと過ごさなくちゃいけない。途中、美術館のトイレで少し泣いた。夕方、ホテ…

田舎から上京してきた母と祖母が家に遊びに来る。わたしのクローゼットの中身が少ないと、 びっくりしていた。「これだけだと、いつも同じ服にならないの?」もちろんなります。でも、わたしもう、どうでもいい服は着たくないの。

肌寒い雨の日。ホームにすべりこんだ電車のドアのガラスに自分の顔が映る。 去年の服が、ぜんぜん似合っていない。さえない顔色で、さえない服だから、用事を済ませてすぐに家に帰ってしまった。

すごくひさしぶりに、大ぶりのピアスを買った。以前は、これでもかというくらい大ぶりのアクセサリーしか持ってなくて、 ごついもの、派手なもの、存在感のありすぎるものばかりで、アクセサリーをいくつか合わせてつけることすら不可能なくらいだった。そう…

地下鉄のホームで、綺麗な後ろ姿を見た。一糸乱れずアップに結い上げた髪、白いうなじ、白い耳たぶにカーネリアンレッドの天然石のピアス。白い肌に赤い石が映えて、アクセサリーはそれだけなのに華やかで印象深い。少し肌寒いから、紺の薄手のジャケット。…

夏みたいな日。起きたら強い陽射しで、ミントの苗がぐったりしている。あわてて水をやり、折れている茎は切って、水につけた。ふと思い立って、春夏の帽子を買いに行く。気に入っていたお店が、移転してから行ったことがなかったのを思い出し、新しいお店に…

『毒婦。木嶋佳苗100日裁判傍聴記』を読む。読み始めて、いまさら初めて、この事件のことが本当にあったことなのだと、現実味を帯びて感じられてきて、引き込まれひと息に読んだ。 わたしがこの事件に関心があるのは、大きく分けると、恋愛の部分と女の部分…

気圧のせいか、頭痛とめまいがひどい。夜はなにも食べられなかった。百合のつぼみが、つぎつぎと開いて、花びらのフリルにみとれる。

イベントのときに「自分の今の容姿に点数をつけるとしたら何点か」という質問をされて、軽く呆然としてしまった。 まぁ、これは簡単に翻訳すれば 「容姿で悩んでつらかったことを書いているけど、今は別につらくないでしょ?」 ということなんだろう、と思う…

イベントでいただいた百合の花の匂いが、部屋中に漂っている。 狭い部屋でよかったなと思う数少ない瞬間。

長谷部千彩さんのブログ(http://fatale.honeyee.com/blog/chasebe/archives/2012/04/22/-40.html)を読んで、はっとした。 「健康のことも初めて真面目に考えた。健康って努力しないとキープできないものなのだ、と知った。 女の人は美しさよりも健康を目指…

トークイベントでおかざき真里さんに初めて会うことになったので、作品を再読する。ほとんどもう読み終えていたのだが、最後に「サプリ」を残していて、一気に全巻読んだ。外は霧のような細かい雨が降っていて、こんな日には遠くのビルの影がぼやける。空気…

朝からの取材が思ったより早く終わったので、森美術館の「イ・ブル展 私からあなたへ、私たちだけに」へ。 最初のセクションにあった作品は、グロテスクでファンシーで、度を超えたガーリーの成れの果てみたいな「女」に満ちていた。 それが少しずつ変わって…

洗濯をしたら、下着のセットが全部ブルーと白ばかりだった。色がグラデーションになるように干した。

牡蠣のオイル煮を作る。と、ふつうに書けばふつうのことだが、半年前までは料理なんてほとんどしたことがなく、外食ばかりだったわたしにとっては、牡蠣を食材として買うのも初めて、 もちろん調理するのも初めてだった。魚屋さんにおそるおそる顔を出してみ…

子供を産みたくない、と思うことを、 大罪のように感じることがある。 産みたい、なんて思うのは、 激しい片想いの最中だけだ。

ひどい気分の一日。 夕方、炭酸の入った飲み物が欲しくなって外に出ると、外の匂いが変わっていた。毎日季節が変わっていって、おなじ日は一日もないのに、どうしてそのことをただ楽しんでいられないのだろう。欲しいもののことを考える。自分の感覚では、少…

出かけた先で、突然雨が降ってきた。慌ててバッグを抱えて、地下鉄の入り口まで走る。 茶色い革のバッグ。 何年も前に、急に「一人旅をしてみよう」と思い立って出かけた広島のお店で、心ひかれるバッグがあった。 私にとって、衝動買いするような気安い値段…

エレベーターに乗ったら、男の香水の香りがした。 ペンハリガンのサルトリアルという香水に似ている、もう少しアバウトな香り。 このマンションの住人だろうか。 銀行に行く用事があって、窓口へ。 向かい合って座った女性は、わたしと同じブランドの、デザ…

AMBALIというブランドに心を奪われている。日本にはお店がなく、セレクトショップにときどき入っているのだが、なんとなく服を見ていて、飛び抜けて好きだと思うものを見つけると、タグに「AMBALI」の文字がある。 あまり、ひとつのブランドに入れあげること…

雨降りの寒い一日。部屋着のまま家で仕事。外に遊びに行く日よりも、こういう日のほうがオフだという感じがする。集中して、書き終わったと思った瞬間、ものすごい凡ミスに気がついて呆然とする。すでに夜の12時。やり直しは徹夜作業だが、身体も頭もぐった…

「ものを書く女とつきあうのは怖いな」 と、言われたことがある。 去年、本を出してから別の人に、「で、俺のことはなんて書いたの?」と訊かれた。本を読むひとほど、自分のことが書かれるのをおそれるし、読まないひとほど書いて欲しがるのかもしれない。…

あたたかい日。春のコートを着ようか迷って、着ずに出かけたがそれでも暑いくらい。友達と待ち合わせて、おいしいと評判のピザのお店でランチを食べる。マリナーラと、はちみつをかけたゴルゴンゾーラ。友達から、旅行のおみやげにクロエの新しい香水をもら…

朝、数日前に着たワンピースの裾にしみができているのを見つける。慌てて洗濯してみるが、取れない。生地としみの感じからして、経験上クリーニングでも取れないだろうとわかってしまう。ネイビーのワンピースが欲しくて、歩き回って探して見つけた服で、ま…

今日はあぶく銭みたいな原稿料の入る日。確認してから四谷三丁目に取材に行き、返す刀で丸ノ内線で新宿三丁目へ。伊勢丹に行く。 伊勢丹には先週も行ったし、先月も服を買ったのだが、ここの下着売り場に行くときの気分はほかの売り場に行くときとは違う。 …